プリペットは、生垣として使われることも多い庭木です。
下の画像で、マリア・カラスの背景となって、青々と茂っているのがプリペットの生垣です。成長力が強く、放っておくと猛烈に伸びます。
このプリペットの生垣は、何年か前に、植栽プラン変更のため、すべて除去することになりました。
生垣の除去は、もちろんプロに依頼してやってもらったのですが、それに先立ち、自分で2本ほど、幹をノコギリで切って残していました。木材として使う意図はなく、乾燥過程でどういった割れ方をするか観察しよう、という、むしろ「木材としての使えなさ」を見るためでした。
下は、乾燥済みのプリペットの幹です。割れはほぼありません。
バラ材に比べ、木質は少し軟らかいです。重要な長所として、樹心が小さくてそれなりに硬さがあります。
このように欠点のない外見で、しかも直線的なので、木材として使えるのでは、という気になってきます。
実は、私見ですが、プリペットはなかなかに魅力的な木材であることがわかりました。生垣の幹は、ほとんどを業者さんに処分してもらっていて、残っているのは上の2本だけです。惜しいことをしました。
プリペットの幹で作ったボールペンとペーパーナイフです。
いずれもクリヤ仕上げです。パーツは、woodcraft.com のものです。
まず目を引くのは、その「白さ」です。白木が白いのはよくあることですが、塗装をしても、白さを保っているのが特徴で、木材としては、「目立つような白さ」だと思います。
さらにこの材を魅力的にするのは、模様の出方です。木目や年輪、節などに由来するであろう模様が、柔らかくマーブル状に広がります。一目「大理石」を連想させる木肌で、石っぽくもあり、普通の木材とはまるで違う印象を受けます。この大理石状の木肌模様は、私の扱ったことのある木材では、これだけです。
プリペットは、名前そのものもそれほど知名度はなく、木材としての使用例も少ないと思います。
これは隠れた銘木といえるのでは、ということで、紹介させていただきました。