榻(しじ)については、ネットの画像で様々な牛車の榻を観察し、標準的と思われる形状(外観)を、それらしく、しかも作りやすい構造で表現することにしました。
ここが大雑把になると、全体の印象に影響を与えますので、それなりに精密感・密度感を出すようにします。
この端材から榻の天板を製作します。
サイズ的にはぎりぎりですが、もう材があまり残っていないのです。
製材して直角に切断し、天板とします。
当然のごとく治具を用意しました。上は90度切断用治具です。
轅を製作した材の残りです。ここから榻の脚(鷺足:さぎあし)を製作します。
製作途中の状況です。脚の上下面を平行に作るため、垂直面のある型紙を用意します。
垂直の面を基準に、鷺足の上下を直角に切断して平行面を作ります。
途中の画像がありませんが、榻のパーツがすべてそろった状況です。
上段左から、天板・底板・中板(本来は中空ですが製作上の便宜で一枚板です)下段左が鷺足下部材・鷺足上部材、3つあるのが中板端面材(予備1個)、薄い2枚が中板柱材です。右上の4枚は余り材です。
部材を接着していきます。強化ガラス板の上での作業です。
底板上面に、中板を貼り、中板の両端面に、中板端面材を貼ります。次に四隅に鷺足上部材、中板中央部に中板柱材を接着します。
そのあと裏返して、ベルトサンダーで面一に研削します。
底板下面に、鷺足下部材を接着します。
天板を接着する前に、高さの調整をします。
天板を載せたときの榻の高さが、花車の軛を載せたときに、床板が水平になるように、中板を含む面を、ベルトサンダーで研削して慎重に調整します。
調整が済んだら、天板を接着します。
余分なボンドの除去、仕上げの磨き、木固めをして榻は完成です。
これで花車のすべての部分が完成しました。
次回は組み立てに入ります。