轂(こしき)の製作にかかります。
大羽・小羽を切り出した枝材の太い残り材から、樹心を含まない無垢の塊を二個切り出します。
サンディングドラムで外皮を取り、荒く丸めます。
旋盤で、中心穴(4.5mm)を空けます。穴径は、加工してマンドレルとして使う長ボルト(先端部のみネジが切ってあり、中央部は円柱になっているタイプ)の、円柱部の径が実測4.3mmであることによります。
私は、不定形の、垂直のとれていない材で、しかし穴の中心は前もって決めておく、というような場合、穴あけにはボール盤ではなく旋盤を使っています。材の両側から交互に掘っていき、中央部で貫通するような穴のあけ方になります。
材は、左手でしっかり支え、右手で心押しハンドルを回して穴を掘ります。このやり方は、「ミニ旋盤を使いこなす本」(久島諦造著)の105ページに載っているやり方を、木材に応用させていただいたものです。
穴が開いたら自作マンドレルを通し、旋盤で円柱に加工していきます。
旋盤のチャックに近いところには、スペーサーが入っています。
円柱状に加工した轂材と、自作マンドレルです。
マンドレルは、六角ボルトの六角部分を落とし、ネジ部分の先端を、旋盤とセンタードリルで V 字に凹ませたものです。ボルトの規格としては M5 だと思います。
ここから、旋盤らしい加工となって、轂の形を作っていきます。
これを2個、できるだけ同じ形に作ります。
まだ端面の処理などが終わっていませんが、いったん木固め(「木固めエース」による塗装)を行います。
轂は、工作の都合上、あとの段階で表側と裏側に切断します。
次回は、車軸部分を作る工程の予定です。