バラの花車の製作 3:構想・準備(3)

今回、手元にあったバラの枝材です。ニュー・ドーンの幹で、まずまずの太さがあり、長く、直線的で芯も詰まっている良材といえます。

この枝だけで花車全体が作れるわけではありません。この枝から、車輪の主要部となるところ(大羽・小羽・轂)が何とか用意できないか、という目論見でした。結果的にはぎりぎり足りました。

この枝の断面をじっくり見て、どのくらいの幅、厚さの角材が製材できそうかを考えます。そのサイズから、大羽の最大サイズが決まり、車輪径が決まります。

厚みを薄くすれば、幅を大きくできる関係ですが、あまり華奢なのも問題なので、幅は仕上がりで4.5mm程度、製材上5mm程度を目安にしました。

汚い字で恐縮ですが、設計途中の状況です。私はこういう作業にはあまりPCは使わず、手書きをする傾向があります。この図はまだコンパスと分度器と定規を使っているだけ格好がついていますが、フリーハンドのスケッチで済ませているものもたくさんあります。

車輪は大羽7枚のスタイルにします。大羽8枚のほうが、車輪を大きくできる可能性がありますが、8枚というのは、上下左右対称形なので、工作精度が悪いと、すぐにぼろが出るのではないか、という懸念があります。輻も、24本となり、工作上窮屈になります。ここは7枚の方が、収まりがよいと考え、また、(牛車の)実車でも、7枚のほうが多い印象を持ちました。

上記では、幅12.5~14mm、長さ32mm、厚さ4.7~4.5mmという数字が見えます。車輪径は58mmとなっています。wは、実車をそのまま小さくした場合の車輪の幅(推定)ですが、これだと模型サイズでは華奢に見える(構造的にも弱く、工作もしにくくなる)と考え、少し厚くします。

15mmというのは轂の直径、車軸が4.5~5mmというメモです。

小羽の形状にもいろいろあるようです。私の作った車輪は、上辺が山型ですが、実車では円周状になっているものが多いです。ここを円周状にする工作は難しく、また意匠的にも山型のほうがしっくりきましたのでこちらを選びました。小羽の端面(縦側)も、車輪中心に向かって放射状にするか、大羽の同士の端面と平行にするか、二通りあるようですが、私は放射状にしました。

大羽は、長さ32mmくらいでよい、といっても、工作上、倍近いの長さがないと、実際の工作ができません。大羽の端材から小羽を作る、といった段取りで、長めに木取りすることになります。


車輪以外にも、床板、轅、軛などが材料的に簡単ではなかったのですが、手持ちの材・端材を総投入すれば何とかなるであろう、という観測の元、製作にかかりました。

次回から、製材作業に入ります。

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